ゆうりしんぶん 2024年2月号


うごく、ゆうりくん

2024年1月のゆうりくん 

あんまり ゆうりくんとお出かけできなかった1月。
公園で遊ぶには、シーズンオフですしね。
参加して面白そうなイベントもやっておらず 大ピンチ。

1月といえば何?
あ。初詣にまだ行ってないんじゃないか。
ということで、『大吉引くまで帰れま10』
詳しくは 下の記事で!


大吉引くまで帰れま10

おみくじって、『ほんまかいな』って、思いますよね。
1つだけだとサンプルが少なすぎるので、いろいろ引いて、多くのおみくじに書かれている共通項から
ゆうりくんの今年の本当のところの運勢を読み取ろう、というプロジェクトです。
Youtuberさんにありがちな、お金にモノを言わせて、ひとつの神社で何回もおみくじを引くのではありません。
ひとつの神社で引くおみくじは1回。大吉が出るまで、寺社をめぐります。

それを聞いたゆうりくんは「おもしろい!」とは言ってくれず、ちょっと涙目。
「え、大吉引けなかったら、帰れないの?」
あ、いや、帰れま10の10は、最大10か所という意味でね、10か所まわっても大吉が出なかったら、そこで終了。
でも、4~5回目ぐらいで、出てくれるんじゃないかな。

①柴又帝釈天 題経寺(お参りのあと 近くのおもちゃ博物館で遊びます)
②牛嶋神社
③浅草神社 三社様
④浅草寺(ここでも大吉が出なかったら、瓦割りで気合いを入れなおします)
⑤湯島天満宮(お勉強の神様ですから、この辺で大吉が出るのが理想です)
⑥神田神社  神田明神
⑦東京大神宮(ここまで来ちゃったら、ヤケで恋みくじとか引いちゃいます)
⑧鳩森八幡神社
⑨明治神宮(ここまで大吉が出ない場合は お祈りが「大吉出してください」です)
⑩豪徳寺(大吉引けても引けなくても、帰ります)

※青文字の寺社は、52歳のおとうさんでさえ、人生初詣です。


さぁて、はじまりました、『大吉引くまで帰れま10』。
最初のおみくじスポットは、柴又帝釈天 題経寺です。
東京(千葉含む)に 30年住んでますけど、柴又に来たのは初めて。
門前町がちゃんと賑やかで、良い街ですね。遠いけど。
柴又帝釈天では、おばあちゃんの健康と幸せをお祈りします。
まだ 1か所目なんでね。
ゆうりくんの健康は次の牛嶋神社で、お勉強は湯島天満宮で、ゲームのことは神田明神でお祈りします。

さてさて、ここでは「寅さんおみくじ」が200円で引けるんですが、あれ!100円玉が1枚しかない。
さっき、お賽銭で1枚使ってしまいました。50円玉と10円玉をあわせれば 200円あるんですが、
寅さんおみくじは 自販機みたいになっていて、100円玉しか使えません。
むむむ、ごめん、ゆうりくん。じゃあ、扇子おみくじでもいいかな。

最初のおみくじは… え、えっ、えー! 大吉です!

あー、このプロジェクト、オワタ…。
まだ、ゆうりくんのことについてお祈りしてないのに、オワタ。

ゆうりくんの顔は晴れ晴れしています。
「帰れるんだ! ボク、帰れるんだね!」という安堵の表情。

うーむ。浅草でヒリヒリしながらおみくじ引いて、瓦割りさせたかったのになぁ。
でもまぁ、『大吉が引けたら終了』って 約束しましたからね。
ここからは『おとうさんの大吉引くまで帰れま10』に急遽変更です。


2つめのおみくじスポット 牛嶋神社では、ゆうりくんの健康をお祈りします。
そして、おみくじを引くのは、おとうさんです。

す、す、末吉。なんか、すげぇリアル。
『まだ挑むな』という内容。それもすげぇ リアル。そうですか、うん、そうかもしれない…。
そう、『大吉引くまで帰れま10』って、こういうこと。
簡単に大吉なんか出なくて、「足りない何か」を確認していくプロジェクト。
「なるほどな」と感じつつ、次のおみくじを引きに行きます。

3つめのおみくじスポットは 浅草神社。
これまで浅草寺には何度も行ってましたけど、同じ敷地に神社もあるんですね。
ここでは、ゆうりくんのぬいぐるみたちが仲良く楽しい1年を過ごせることをお祈りします。

小銭がなかったけど、PayPayで引けちゃう。あー、そういう時代?便利っちゃ、便利。
便利なんだけどね。おみくじ前に「PayPayみくじ」が ハズレなの、やめてほしい。
で、おみくじの結果は… 吉。
『まだ挑むな』に近い内容で『はいはい、わかりましたよ』なんですけど、問題は旅行運。
「旅行は良くない、行くな」ですって? そんなおみくじは 引かなかったことにします。

ゆうりくんの大好物 チョコバナナを買って、小銭ができたところで、浅草寺のおみくじに挑戦。
昨年 2023年にゆうりくんが初詣で引いたのと同じおみくじです。

結果は… 80番 大吉!
もうね、ゆうりくんが80番の引き出しをあけた瞬間に「大吉」が見えてしまってね、グダグダです。
めっちゃいい内容。イケイケドンドン。
でもね、この大吉は、浅草寺さんが 去年来たゆうりくんのことを覚えていて、
『ゆうりくんをおうちに帰してあげたい』と出してくれたものです。
『まだ挑むな』が正しいんだと思いますよ。『まだ挑むな、力をためろ』です。わかるー。


ゆうりくんの今年の一字『地』

ママから聞いたんですけど 「みんなで今年の一字を考える」というお題にゆうりくんが挑みました。
ゆうりくんは 今年の一字に『地』を選んだんだそう。

元旦に起きた『地』震ではじまった2024年であることが、その理由のひとつ。
そういう大変なことを乗り越えていく1年にしていくんだ、という決意ですね。
地震だけじゃなくて、ゆうりくんのまわりでも起きるであろう、いろんな大変なことを。

で、乗り越えていくときに必要なのは『地』力だ、地力を培うんだ、的なことを言ったらしいです。
おおおー。男の子の心って、小学4年の頃にほんとに伸びるねー!

そういえば、算数好きのゆうりくんが、「算数より国語が好き」だと言うんです。
今やってる算数は小数点以下の数字の掛け算。
ちゃんとね、答えが合ってます。「この計算力、すごいな」とおとうさんは感心してしまいます。
でも 「やりたくないな、こんな宿題」って言うんですよ。
どういうことか、というと、集中して 九九の掛け算をして、繰り上がりに気を付ければ解ける問題。
ただただ「ミスなく正しく計算できるか」が試されることに怒ってます。
「こんなの iPad使えば できる計算なんだよ」と。
国語も漢字が正しくきれいにかけるか、みたいな宿題ですけど、
国語の授業では 「どう感じるか、どう考えるか」が問われます。
そういうほうが、最近は楽しいのだそう。

そうですか! それを聞いて、おとうさんは とてもうれしいです!
でもね、計算に偏った算数の次にやってくる数学。それもたのしんでほしいんだよなー。 


2024年1月25日の糸井さんのことば

うまく説明できないままの思いつきなんだけど。
「そのチームにいると、その人のパフォーマンスが90点で発揮できる」
というのがいいなぁと思いました。
つまり、「ほぼ日」がそうだったらいいな、と。
自己評価がどうであれ、その人の力が100点で発揮できるなんてことを期待し過ぎちゃうのはいけないと思うんです。
でも、ほとんどの人は、じぶんの力を存分に出せないままに(ひょっとしたら一生?)終わるなんてこともあるんじゃないでしょうか。
人が持ってる力を発揮しやすい環境、そういうチームができたらいちばんいいよなぁと、そんなことを思ったときに、とても重要なこととして、それ、100点以上はいかんな、とも考えたのです。
ぜいたくだけど90点がいいな、余裕があって、それこそ持続可能性がある。
新人として入ったばかりのときには、30点とか40点で十分ですよね。
やがて、人によって、いろんな偶然との出合いによって、力を発揮できるようになってきて、いつもその人の持っている力の70点分を出せたら、ちょっと頼りになる先輩くらいになるんじゃないかな。
やがて、あの人もこの人も、みんなが90点の力を出せるようになっていました…なんてチーム、理想だな。
もともと持っている資質には種類も質量もあるから、「その人の90点」ということでいいと思うんですけどね。

んで、その人がチームを離れて、一からじぶんなりのチームをつくる場合とか、他のチームでパフォーマンスを発揮するときにでも、70点はまちがいなく出せるというのがもっと理想だな。
仕事とかって、環境全体のつながりで力を出すものだから、別の環境になったらまったく力が出なくなるってことも、わりとよくあるケースなんですよね。
でも、ぼくの考える「そのチーム」で90点を出せた人は、別の環境に移ってもがくっと落ちたりしないで、70点は出せちゃうような練習をしてきたってことです。
そういう「チーム論」みたいなものを理想として、そのためにどうするといいのかを考えて行きたいです。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ものすごく読み飛ばされそうな今日の原稿だったかなぁ? 

2024年1月31日の糸井さんのことば

ぼくがそういうことについて詳しいわけでもなく、ただその当時に聞いたニュース解説的なことにかなり感心したんですっていう話なんですが。
若い人たちにとっては大昔みたいに思えるかもしれない。
ベトナム戦争に関わる話でした。

戦力としては圧倒的なアメリカ軍が、ベトナムのゲリラ部隊の攻撃に苦戦していた。
とにかくゲリラを追い詰めて捕えようとしても、ゲリラ兵士は消えてしまうというのです。
攻撃をしては消えてしまうゲリラに手を焼いていた、それには「理由」があったということなんです。
つまり、戦って攻撃をしかけているゲリラ兵士は、装備を解いてしまえば、ただのその辺の農民に戻っちゃう。
さらには、ときにはゲリラ兵士を匿う農民たちが、地域には無数にいるわけです。
「アメリカ軍」は「ゲリラ兵士×その味方の農民たち」と戦っていたということになります。

なんか、この話って、ほとんどのことに通じるなぁと思ったのです。
ある意味「専門的」に戦いをしているゲリラ兵士がいて、その周囲に、武器は持っていないけれど匿ってくれたり食料を調達してくれたりしてくれる「素人=村人」がいる。
専門的な人たちが、専門の分野にどれだけ熟達しても、それに「好意を持って味方する人」がいないと、「少数の専門家」だけが丸裸で残ってしまうんですよね。
大谷翔平選手やらMLBの野球選手たちが、どれだけ素晴らしい技術をもってプレイしていたとしても、その試合を野球場やテレビ中継で「観てくれたり」、そのすごさを「理解してくれる」人たちがいないと、あれだけの規模のスポーツも成立しないわけですよね。

ぼくは、「好意を持って味方する人」になりたがるんです。
すっごいことをやっている専門家を、わからないなりに、「すごいことやってる」ってわかりたいんですよね。
「わぁ、すごい」と言える程度の知識を身につけると、じぶんもうれしいことが増えるし、「戦士たち」も戦いやすくなってうれしいと思うんです。
こういうことを、ぼくはずうっとやってる気がしてます。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「ほぼ日の學校」も、そういうコンセプトでやってるなぁ。


MUSIC

2024年1月のうごく、ゆうりくん の楽曲紹介

水曜日のカンパネラさんの ♬ "招き猫" です。

初詣・ご利益がテーマでしたので、この曲にしました。
ゆうりくんが 笑顔をみせてくれたおかげで、この曲でもはまりました。

ゆうりくんが 水曜日のカンパネラの ♬ "エジソン" を鼻歌で歌うので
え、なんでその曲知ってんの?とビックリ。
高校生とかにウケているのは知ってましたけど、
ゆうりくんまで知っているとは。

詩羽さんになってからの水曜日のカンパネラのMVの質が良くないんですよね。
なので、MVじゃなくて、おとうさんがジムのペースメーカーで使っている
プレイリストを貼り付けておきます。
水曜日のカンパネラ の曲が3曲も入ってます。 
52歳のおっさんのプレイリストにしてはキモイけど、そんなの関係ねぇ。

Spotify Recommend Radio January 2024

『うごく、ゆうりくん』 プレイリスト


「歩いて山手線一周」おとうさんに何が起きたか

お正月は 二日から三日にかけて、ママの実家におじゃましました。
ゆうりくんは従姉妹のあかねちゃん、みさきちゃんと ものすごくたのしそうにあそび、
大人はひとつのテーブルを囲んで座り、なんやかやと しゃべりたおします。
と、不意に 右の腰が痛くなりました。
足を組んだまま 姿勢を動かしたんだっけ?何が起因であったのか、よくわからないです。
私は「四日から仕事です」を言い訳に 三日の夜には ひとり 家へ戻ります。
ゆうりくんやママは、ゆうりくんの冬休み最終日まで ママの実家で過ごします。

で、6日(土)・7日(日)・8日(月)の 3連休が おとうさんひとりのド・フリータイムになる
というので、その3日間で歩いて山手線一周してやろう、と企てたのでした。
「え、なんで そんなことすんの?おもしろいか?」という反応は多数ありました。
「私は歩くのが好きなんです、特に好きな音楽を聴きながら歩くのが」というのが私の答え。
大学三年・四年の春、私はひとりでヨーロッパをまわりました。
行った先で出会った人と愉しい時間を過ごしたこともあったけど、
結局、自分が楽しいのは、「バカみたいな長い距離を、ひとり、音楽を聴きながら歩く」です。
ロンドンのアールズ・コートの宿から 地下鉄を使わずに ずっと歩いてロンドンの街をめぐり、
その間 ポータブルCDプレーヤーで The SMITHS や The Sundays を聞いてました。
小豆島では 街から 二十四の瞳の学校まで 歩いて往復し、最後はクロネコヤマトのドライバーに
「そんな長い距離歩く馬鹿はいない、乗れ」とトラックに乗せてもらいました。
でも、足がちょっと悲鳴をあげる感じが、満足・喜びだったりするんです。

だけど… 三日に痛めた腰は、その後 立ち上がったり、姿勢を変えるたびに激痛に襲われます。
これは、さすがにヤバイ、と思いました。
四日に五十肩でお世話になっている接骨院に予約なしで行って、すぐに「あー重症だね」と診断されました。
内腹斜筋って言ってたかなー、軽く断裂している、という診断です。
すぐに電気治療と超音波治療を受けて 「絶対安静」と言われました。
どうにも動けないギックリ腰とは違います。身体の動き出しだけがめっちゃ痛い。
「アカン!」と感じて動きを止め(元の態勢に戻し)、もう一度ゆっくり動くと 何とか動く。
「アカン!」が一日に何回もある。
「もう、歩いて山手線一周とか、言ってる場合じゃないやん」とガックリきてました。
ホテルはもうキャンセル料が発生する期間に入ってたので、キャンセルせずにそのままにしてました。
前日に「すんません」と、連絡しようか と思ってました。

ところがですよ、この接骨院の電気治療と超音波治療が、なんか知らんけど すごく効く。
4日・5日・6日と三日間通ったら、「アレ?なんか歩けそうだぞ」という状態になりました。
ホテルのキャンセルしてないし、やっぱり 歩いて山手線一周やってみるかー
もしもアカンかったら 山手線に乗ればええやん、と歩き始めました。

「山手線一周相当を歩く」ということ以外に、「それをムービーにする」という目標がありました。
『うごく、ゆうりくん』のように 曲に動画をのっけたようなロードムービーです。
被写体としての ゆうりくんがいないので、もっぱら風景を写しながら歩きます。
どの曲に乗っけるのか?は 1日目の6日 の時点では決めていなくて、
「編集でどうにでもなる」と、狙わずに雑に撮影してました。

新宿から、早稲田・学習院・立教と大学街を渡り歩いて池袋へ、
池袋からは 巣鴨地蔵通商店街やら、東洋文庫ミュージアムやら、谷中銀座やらに寄りながら東進して上野へ。
あーなんだ、問題なく歩けますね。冬の早い日没には間に合わないけど、6時前にホテルに着きました。

さらに調子にのって、上野から浅草まで歩いて行って、浅草地下商店街を冷やかしたり、天丼を食べたりして
また歩いて上野に戻ったりしました。
疲れましたけど、歩ける。22.2 kmと記録されています。うれしかったです。

ただ、腰ではなく、左足の人差し指(人を指せないけど)に違和感がありました。
2月になった今も、その指の爪は 内出血で真っ赤(黒)です。
でも 1月6日時点では、外観に異常はなく、痛みというか 違和感がありました。

上野の夜に、1日目のムービーは きのこ帝国の『東京』、2日目のムービーは コレサワの『トーキョー』
3日目のムービーは Nulbarich の『TOKYO』に載せようと思うようになりました。
それぞれ曲調が違って、 表記違いの「東京」。おしゃれやないか。
「うごく、ゆうりくん」だと 使いどころが難しい曲だから、今回のムービーでしか使えない。
もともと知っていた曲ではなくて、Spotifyに教えてもらった 「東京」の曲たち。
特に きのこ帝国の『東京』には パンチ力があってハマりました。すごいな、きのこ帝国。

2日目の7日は、上野から秋葉原、神田を経て、大手町へ。
日曜の朝、「これ、今日はホテルに早くついてしまうかもしれん」と思うほど 順調でした。

一度も入ったことがなかった 江戸城跡へ。入れるなんて、知らんかった。
「東京には公園がない、緑がない」って、おいおい、めっちゃデカいのが ど真ん中にあるやんけ。
そんな実感は、今回初めて感じました。

コレサワの『トーキョー』の歌詞は「なんでもあふれてるトーキョー」なのに、
朝のまだにぎわってない秋葉原とか、江戸城跡とか、大丈夫かな。
打開するために、銀座と築地へ。
銀座は曇り。まぁ しかたがないか。でも「うごく、ゆうりくん」で何回か登場した場所で新しさはない。
築地は日曜日なので閑散としていると予想していたのに、店は開いていて超満員。
えー、そういうもん? 日曜日はいつもこんな感じ? それとも冬休みだから?
知らない人を撮るわけにも、ムービーに載せるわけにもいかなくて、 超満員は困ります。

その後は 浜離宮恩賜庭園、竹芝・日の出桟橋、芝浦と「何があんの?何撮ってんの?」な地帯へ。
あるんですよ、この先に レインボーブリッジが。
2日目は「さいごに夕暮れのレインボーブリッジを歩いて渡る」と決めていました。
それで 2日目のムービーを締めくくれば、終わりよければすべてよし、なんとかなる、と思ってました。

レインボーブリッジを歩いて渡る経験は、なかなか楽しかったです。歩き好きな私には。
でも お台場に渡ったあと、今回唯一 乗り物「りんかい線」に乗って天王洲に行こうと決めていたんですが
りんかい線の東京テレポート駅がめっちゃ遠く感じる。
もうええねん、ムービーはレインボーブリッジとお台場の夕焼けで終わりだから、その先いらんねん。
東京テレポート駅までの道のりと、天王洲からホテルまでの道のりで、どっと疲れました。

ホテルのベッドに倒れこんで、うごけなかった。ホテルも好きになれなかった。
でもま、安ホテルの冷蔵庫には水もないし、飲み物を買いに行きつつ、近場で夜ご飯 食べようかな。
「知らなんだ東京:普段行かないところに行く、普段やらないことをやる」がテーマ。
行こうと思ってた中華料理店が閉まってるので、サルバトーレクオモへ。
チェーン店じゃん、サルバトーレクオモなら 家から歩いて 1分のところにあるじゃん。
せめて いつも絶対頼まないようなものを頼もうと、魚介のパスタを注文。
イカやアサリのパスタなら頼むかもしれないけど、サーモンやらイクラやらがのってるのは普段は頼まん。
それをあえて頼んでみる。
これが… めっちゃ不味い。かなり高いクセに、生臭い、おいしくない

だけど、出された食事を残すほうがもっとイヤなので、全部食べました。

ホテルに戻って、この2日間で撮った動画をチェックしてみると、かなりひどい。
何のプランもなしに、傲慢に撮ってました。
こんなのつなげたところで、良いムービーになるか? とすごく不安になる。
やっぱ、ゆうりくんはすごいな、最近 イマイチな時もあるけど、なんとかムービーになるもんな。
今回、たくさんムービーは撮ってあっても、3曲もいらない。3日間で やっと1曲分か。
きのこ帝国の『東京』は曲は良いけど、曲が重すぎて、動画が負けるな。
Nulbarich の『TOKYO』なら何とかなるか。それしかないな。
疲れた身体で、動画に失望して、眠ります。

1日目・2日目と、歩いているうちに暑くなり、上着を脱いでいたので、3日目は 薄着で出発。さむ。
それが良くなかった。その日は寒い日でした。
結構早い段階から身体の異常を感じていました。
腰の状態は問題ありません。ものすごい悪寒と膨満感。
立ち寄った KAIDO books&coffee で何も頼まないわけにはいかず、ホットミルクを注文。
入っていかない苦しみを感じつつも、残してたまるか、と全部飲みます。

3日目のスタートは大崎を経て 戸越銀座。
大崎に住んでいる人、好きな人には大変申し訳ないんだけど、クソつまんない。
鉄道の線路に阻まれて、向こう側に行けない。クソさむい。
戸越銀座が「関東で一番長い商店街」って、ほんとマジふざけんなよ。 
身体が異常に重たく、心がすさんでいるので、大崎にも 戸越銀座にも 敵意しか感じません。
3日目のコースは、山手線の外側に大きく外れるコース。戸越銀座をルートに入れたためでした。
あー、こんなコースにしなければよかった。
そもそもこの企画自体、やらなければよかった。
「それ、おもしろいの?」という率直な意見、断裂しかかった腰の筋肉、やめるタイミングはあったのに
なぜか、自分は歩くのが楽しいんだ、と思い込んで こんなことになっちゃってる。

リタイヤしようか、と思いました。
でも何をリタイヤする? 歩くのをリタイヤする? それともムービーをリタイヤする?
このときは不思議に、歩くのはやめてもいいが、ムービーをつくらないということには拒否感がありました。
ムービーをつくらないなら、いったい俺は何をしているんだ? と。
後日、歩くのをやめた区間を歩いて、撮りなおそうか、とか考えていました。

とりあえず、武蔵小山の「健康サロンCRAFT」に入り、酸素カプセルボックスと 下半身のマッサージをお願いします。
酸素カプセルボックスは初めて。寒くて 余計に調子悪くなる。
「あ、暖房あるんじゃん」とエアコンをつけて、なんとか サバイバルする。
マッサージは おなかが張っているのに大丈夫かな、と心配したけど、大丈夫。効いた。

… あれ?歩ける。 二回目の「あれ?歩ける。」
身体を覆っていた疲労感がかなり抜けました。まぁ… 歩けるなら… 歩くか。

だけど、身体も心も 歩く楽しさなんて感じていないです。
目黒、中目黒、代官山、渋谷、原宿。チャラチャラした街、早く過ぎ去れ。
コンビニで栄養ドリンクを買って、身体に喝を入れる。
音楽も聴かなくなった。もうええから。 とにかくゴールする、新宿まで歩き通す。それだけ。
ムービーのラストカットはドコモタワー。はい、撮れました、はい、終了。
まさか、こんなに荒れた気持ちの最終日になるとは。
もっと晴れ晴れして「あぁ 終わっちゃうのかー」と惜しむつもりでいたのに。

京王線に乗って、家に帰る。電車便利、マジで便利。ありがとう、マジでありがとう。

家について、シャワーを浴びると ゆうりくんとママが帰ってきた。たのしそう。
ごめん、いろいろありまして、寝ます。寝させてください。

少し休んで、身体が熱く感じるので、熱をはかると 39℃。
あー、そういうこと?
長距離歩行で身体が壊れちゃったというより、なんかの病気なのに 長距離歩いちゃったってこと?
どうりで調子が出ないと思ったわ、病気かー。
胃腸の異常はますますひどくなり、横になると 胃液があがってくる。
サルバトーレクオモの魚介のパスタ味の胃液。
マジふざけんな、サルバトーレクオモ!と呪う。もしかして食中毒なんじゃないの、これ。(違うけど)
身体を休めたくて目をつぶると、コレサワの『トーキョー』が頭の中でぐるぐるまわる。
この曲、マジうざい。
このタイミングでは、きのこ帝国の『東京』でも、Nulbarich の『TOKYO』でもなく、
コレサワの『トーキョー』が前面に出てくる? なんで?
『東京』『トーキョー』『TOKYO』 どの曲も聴きたくない。もう、全部きらい、ごめん。

歩いて 山手線一周 なかったことにしたい。

翌日 かかりつけ医に診ていただくと、
「胃腸炎でしょう。長引くようなら腸閉塞や虫垂炎を疑わなくてはいけませんが、おそらくその心配はないでしょう。」
とのこと。

その2日後、白い便が出ます。「白い便」で ネットで調べると「膵臓癌」が出てきます。

膵臓癌とは?
膵臓は、がんが発生しても小さいうちは症状が出にくく、早期の発見は簡単ではありません。
進行してくると、腹痛、食欲不振、腹部膨満感(おなかが張る感じ)、おうだん、腰や背中の痛みなどが起こります。

腹痛、あります。食欲不振、そうです。腹部膨満感、って まさにそれです。
ズーンと痛む場所は膵臓の位置と一致してます。
… おー まじか。いつかは癌になるんだろうな、とは思ってましたが、ここで来ましたか。そうかー…

かかりつけ医に相談に行くと
「胆汁の通り道である胆管がつまっちゃってるんですね。先日お出しした抗生物質の薬がね、効くと思いますよ。」
「え?膵臓癌ですか? その心配はいらないです。もしも膵臓癌だったら症状はもっともっと重いですよ。」
とのこと。

あー、そう。そうですか。薬を飲んでいれば治ると。
それにしても、新年いきなり 腰の筋肉が軽断裂しても、3回の治療で治ったり、
膵臓癌かも?と心配になるような胃腸炎も、薬で治ったり、
おとうさんの身体も心もすっかり打たれ弱くなったなぁ と思うし、医療ってすげぇな、と感心します。
「将来、お医者さんになりたい」と子供が言ってるのを聞くたびに、「何がおもしれぇの?」と思ってたけど、
たしかにな、薬を処方してもらえなかったら、苦しい絶望的な夜がずっと続くんだもんな。
医療ってありがたいな。
これからも、身体の調子を崩しては、やる気も機嫌も崩し、何度も助けてもらうんだろうな。

で、さぞかし やせ細ったんじゃない? と体重計に乗ってみると… ん…? スタート時と かわらず。
え、え、え、なんで、なんで、なんで、アホか、アホか、アホかーーーーー。
ほんとうに… なんのメリットも… ない。

というのが、「歩いて山手線一周」で起きた一部始終。どす黒歴史です。

あれから1か月が経ちました。
きのこ帝国の『東京』も コレサワの『トーキョー』 も Nulbarich の『TOKYO』も聴けるまでに回復しました。
でも、ムービーはつくってません。体調を崩しても根性で撮りつづけた動画は 結局全然見返してない。

サルバトーレクオモは… いまだに許せん。 仲直りのきっかけが見つからん。


実は、「歩いて山手線一周」は 本当になかったことにしようと思ってました。
だから、ゆうりしんぶん 2024年2月号発刊時には、一言も触れていなかったんですが、
兄ちゃんからメールをいただきました。

山手線一周徒歩の旅はどうなったんだろうね
気になるね
メキシコで一晩かけて ある教会まで60km歩いたが 山手線一周はきついな でも面白そう

このメールが、どれだけうれしかったか。
自分の おバカ、失敗で片付けてしまおうと思ってたけど、良い結果ではなかったけど、
「どうなったんだろうね」って言ってもらえて、
自分の思い上がり、衰え、挫折、自暴自棄、心配性など、全部晒しちゃおう と思えました。
兄ちゃん、こんな感じでしたよ、「歩いて山手線一周」は。
それにしても、『一晩かけて ある教会まで 60km』かぁ。
それ、ぼくの3日間の総歩行距離なんですけど… 営業妨害。

きのこ帝国も、Nulbarichも やっぱり良い曲だし(コレサワは やっぱり… うざい)
Nulbarichが、2024年内をもって活動を休止すると聞いて、なんか、ムービーに残そうと思いました。

ありがとう、兄ちゃん。

Youtubeのサムネイル画像候補、3つともイカレとる。


先月号も読んでね


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